毒舌社長は甘い秘密を隠す

 湯気が出そうなほど熱い頬を、両手で包んで隠す。

 あぁ、びっくりした。
 ありがとうなんて、あまり言ってもらえないからドキドキした。
 それに、こんなに優しくて甘い声は、初めて聞いたと思う。


「どうした?」
「なんでもないです。お風呂、お借りします!」
「それなら、これも持っていけ。着てくれるんだろ?」

 勢いよく立ちあがった私に、お土産のルームウェアが手渡された。


「先に眠っていてくださいね」
「気にしないでゆっくり入ってこい。待っててやるから」


 今日の社長は、なにかが違う。
 アルパくんとの添い寝を禁じて以来、ちょっと変わったとは思っていたけれど、今日は特別だ。

 ドキドキしたり、きゅんとしたり、ムッとさせられたり……とにかく自分の心が目まぐるしく変わるから、ついていけなくなりそう。

 寝室に入って、下着とスキンケア用品を取り、洗面室に入った。

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