毒舌社長は甘い秘密を隠す

「あぁ~……極楽……」

 六畳はありそうな浴室も、大きなバスタブと窓から見える夜景が印象的で贅沢だ。
 適温のお湯に肩まで浸かったら、つい声が漏れた。

 壁面スイッチにマイクロバブルのボタンを見つけて、試してみる。雑誌や高級物件のパンフレットで見たことはあったけれど、実際に試すのは初めてだ。


「気持ちいい……なにこれ……」

 社長は、毎日こんなバスタイムを満喫しているのだろうか。
 激務をこなしているのだから、アルパくんと添い寝するよりずっと疲れが取れそうなのにな。


 二十分でお風呂から上がり、寝支度を整えた。
 そういえば、すっぴんを見せることになるけれど、ここまで来たら覚悟はしている。不細工だと言われようが、メイク顔との差に笑われようが、腹を括るしかない。
 今夜から、毎晩見せなくてはいけないのだから。

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