毒舌社長は甘い秘密を隠す

 迷うことなくベッドに座った彼は、隣に私を座らせた。
 このシチュエーションって、そういう流れだよね?
 キスをして、押し倒されて……それから、あんなことがあったりする、王道のパターンだ。


「今夜から一緒に寝るから、先に聞いておく」
「……はい」

 緊張で消え入りそうな声で返事をする。


「好きな男や彼氏はいるか? いるなら、それなりに気を使うつもりだが」

 気を使うって、どういうこと?
 私の好きな人は社長なのに、本当に彼は気付いていないんだなぁ。


「……好きな人なら、います」
「そうか、わかった」

 彼がリモコンで部屋の明かりを消すと、ベッドサイドのランプが代わりに灯った。
 暖かいオレンジ色の光がほのかにベッドを照らしていて、やけにムーディーだ。

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