毒舌社長は甘い秘密を隠す

 社長が先に横になった。しかも、着ていた黒いTシャツを脱ぎ捨て、上半身が露わになっている。
 慌てて目を逸らし、敷かれているラグに視線を落とす。
 一瞬見ただけで、緊張がピークに達した。
 どういうつもりなの? 私は秘書でアルパくんの代役で……。


「来いよ」

 彼は、隣に入るように布団を捲って待っている。


「……はい」

 鼓動が胸の奥から突き上がってくる。
 ドキドキする音が、まるで寝室に響いているようで恥ずかしくなった。

 ゆっくりと身体をシーツに滑らせる。
 お土産のルームウェアはおそらく高級品で、肌触りがいい。着ていても触っても心地いいし、あまり暑くないのは春夏物だからだろう。

 そんなことを考えて、必死で緊張をほぐそうとする。

 なのに、彼は私の心模様なんて気にする様子もなく、横たわった私を反転させて背中から抱きしめてきた。

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