毒舌社長は甘い秘密を隠す

「……最高」

 さっき私がお風呂で漏らしたような声色で、彼が囁く。


「あの、もう少しだけでも離れていただけないでしょうか」
「無理」

 頭上から聞こえる彼の声が、全身に行き渡るようでドキドキする。


「これは社長と秘書としてあるまじき行為かと思いまして」
「そういう堅苦しい関係は、この家にいる時くらい忘れろ」
「えっ!?」

 それでは、どうして私はここにいるのでしょうか?

 秘書として、彼の条件を飲んだ。
 彼の秘書でいたいから。

 彼の癒しを禁じたから、私が代わりになるしかないという命令に従ったのは、社長と秘書だからなのに。


「どういう意味ですか?」

 彼の腕の中でくるんと身体を反転させて振り向いたら、たくましい胸板とご対面してしまった。

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