毒舌社長は甘い秘密を隠す

 ――スッと眠気が遠退いて、朝になったと気づいた。
 昨夜いつ寝付いたのか記憶にないけれど、背中越しに聞こえてくる社長の寝息に誘われたように思う。

 うーん……あと少し眠りたいなぁ。
 自宅のものよりもずっと高価で寝心地のいいベッドは、起き上がるのが惜しくなる。

 今何時なんだろう。薄らとまぶたを開け、ベッドサイドのデジタル時計に視線を向けようとしたところで違和感を覚えた。

 視線を下げると、夜が明けてもなお、社長の腕がやんわりと身体に巻き付けられていると気づいた。
 しかも、片手は私の胸に触れていて……。


「きゃーっ!」

 思わず飛び起きた私は、枕を投げつけていた。しかも、あろうことか彼の美しい顔に命中している。


「っ!? す、すみません!」

 でも、これは社長が私の胸を触ったからであって!
 

「……社長?」

 衝撃で起きるはずなのに、大きな枕に埋もれた彼が微動だにしないので、気になって声をかけた。

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