毒舌社長は甘い秘密を隠す

 当たり所が悪かった? でも、枕は十分やわらかいはず。
 昨日、海外から帰ってきたばかりだから、疲れて深く眠ってるのかな?
 横目で時計を見ると、起きる予定の時間まであと三十分ある。


「……寝てますか?」

 眠っているなら起こさない方がいいと思い、そっと声をかけて枕をつまみ上げた。


「っ、きゃ!」

 枕の下でいつの間にか目覚めていた彼は、私の手をグイッと引いた。


「おはよう」
「お、おはようございます」

 まだ眠たそうではあるけれど、寝起きから爽やかな彼と見つめ合い、鼓動が跳ねる。
 上半身裸の彼の胸に頬を寄せる格好になって、その穏やかな温もりが伝わってきた。


「ずいぶん手荒い起こし方をするんだな」
「すみません、つい」
「俺の秘書は意地悪だからなぁ」
「そんなつもりはありません」

 昨夜のように抱きしめられて、朝から頬が火照ってくる。
 もふもふとした部屋着を着ている私の背を愛でるように、彼の手が這う。

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