毒舌社長は甘い秘密を隠す
「そろそろ起きるか。まだこうしていたいけど」
私を解放して、ベッドから出た彼が大きく伸びをしながら寝室を歩く。
ようやく息をした気分で、私も身体を伸ばしてからベッドを出た。
「明日は普通に起こせよ。枕投げは禁止な」
「……はい」
社長が胸を触らなければ、そんなことはしませんけど!
眠っている間の偶然の出来事だったとしても、本当にびっくりしたんだから。
そう言い返そうとしたけれど、月曜の朝から言い合いはしたくない。
それに、この生活はしばらく続きそうな気もするし、円満かつ彼の気を惹くためには黙っておいたほうがいいこともある。
「社長、朝食をお作りしましょうか」
「いらない。途中のカフェで済ませてから出社する」
「かしこまりました」
彼は三十分ほどの間にシャワーを浴びて、身支度も整えた。
今朝は仕立てのいいネイビーのスーツに青と白のクレリックシャツを合わせ、オレンジのチーフが効いている。
いつも思っていたけれど、本当に彼の着こなしのセンスは素敵だ。