毒舌社長は甘い秘密を隠す
「寝ないのか?」
「ちょっと喉が渇いたので」
「そう」
バスタオルで髪を拭きながら出てきた彼は、上半身になにも着ないでいる。
一度見られたら平気な人なのか、それとも私を女性と思っていないのか……。もう少し意識してほしいんだけどなぁ。
「あの……お見合い、されるんですか?」
「……どうだろうな。君はどう思う?」
「えっ!? どう、と申しますと」
「俺が見合いして、どこぞのお嬢さんと結婚したら、どう思う?」
社長は本当に意地悪だ。
そんなことを聞いてどうするつもりなんだろう。
本音は、結婚なんてしてほしくない。するなら私としてほしい。
でも、彼は私に興味すらないだろうし、そもそもアルパくんの代わりでここにいるだけだ。
秘書として日々の仕事を完遂するのが、私の役目。そこに私情を挟むなんて秘書失格だと思う。
「社長が幸せになられるなら、と思いますが」
「……あ、そう」
聞いてきたのは彼なのに、素っ気ない態度で私からグラスを奪って水を飲み干すと、先に寝室に入ってしまった。