毒舌社長は甘い秘密を隠す

「電気消して」
「はい」

 私も彼の隣に横たわり、言われた通りにリモコンで明かりを消した。
 ベッドサイドにある洒落たライトを灯し、手を伸ばして絵本を置いた。


「そうだ。今日、八神さんにお渡しする資料、君も手伝ってくれたそうだね」
「はい」
「常務から聞いたよ。会議前で立て込んでいただろうに、よくやれたな」
「大したことはしていません。同期に情報をもらったりして、ほんの一部だけですから」

 頬杖をついて、隣から私を見下ろしてくる彼と至近距離で見つめあう。


「さすが社長秘書だって、常務が褒めてた。それから八神さんも満足だったみたいで、社にとっても有益だった」
「お役に立ててよかったです」

 秘書として、彼の隣にいられるならそれでいい。
 留美さんだってそう言ってたから、間違ってないと思う。
 片想いが成就しなくても、好きな人のために役に立てるなら、秘書として幸せなんだから。

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