毒舌社長は甘い秘密を隠す
案内しているスタッフの後について、階段を上る。
下階のレストランの上を通っているガラス張りの通路を抜け、さらに階段を上がった。
「わぁー! すごく綺麗!」
「でしょ? ここからの夜景は、都内でも指折りだって評判なんですよね、オーナー?」
「はい。ありがたいことに」
親しげに案内してくれたスタッフの男性に話しかけた留美さんに首をかしげる。
「こちらは、このお店のオーナーの宮城さん。私の大学時代の先輩なの。宮城さん、こちらは私の後輩の沢村さんです」
「こんばんは。いつも留美がお世話になっております」
「いえ、こちらこそお世話になっております」
もしかして、さっき留美さんが言った〝いい男〟って宮城さんのことだったのかな。
黒いシャツを着た長身と、清潔感のあるナチュラルブラウンの髪は、クールな印象の彼に似合っている。それに、小麦色に焼けた肌と微笑むと覗く真っ白な歯が健康的で、親しみやすさも感じる。
だけど、やっぱり井浦社長のほうが素敵だなぁ。もふもふ好きだったり、会社では毒舌で、プライベートでもなにを考えてるのかわかりにくいけれど。