毒舌社長は甘い秘密を隠す

 ――熟睡した休みの朝は、目覚めがいい。
 寝返りを打って、仰向けになろうとしたところで視線を感じてまぶたを開けた。


「……おはよう」
「お、おはようございます」

 先に起きていたのか、彼女が両肘をついて腹ばいになり、隣で俺を見ていた。


「……なに?」
「いえ、あのっ」
「なんだよ」

 手を伸ばして、ハッキリしない彼女を腕に閉じ込める。朝からゆっくり抱きしめていられるのも、休日の醍醐味だ。


「私、社長の寝顔を見るのが好きみたいです」
「…………」

 起き抜けにそんなことを言われて、どう返していいのかわからなくなった。
 腕の中に彼女を抱いて、ドキドキしながら部屋の壁を見つめる。


「こんなこと言われても困りますよね、すみません」
「いや、そうでもない」
「えっ!?」
「いつだったか、枕投げで起こされるより気分はいい」

 嬉しいくせに素直に慣れなくて、ニヤニヤしてしまいそうな顔を引き締めたまま、先にベッドを出た。

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