毒舌社長は甘い秘密を隠す

 レストランを出て、複合施設の中を適当に見て回る。
 途中にあった雑貨店に立ち寄ると、アルパカのマスコットが頭に付いたボールペンを見つけた。


「ご馳走になったお礼に、これプレゼントしますね」
「どこで使うんだよ、そんなの」
「会社に決まってるじゃないですか」

 いたずら顔で手に取った彼女は、意気揚々とレジで会計を済ませている。待っている間、普段来ることのない店内を歩いた。
 なんともファンシーな商品が並んでいるけれど、周りを見れば客は女性ばかり。
 自分が浮いているような気がして、店を出て待つことにした。


「お待たせしました」

 戻ってきた彼女が、店名の入った袋を提げている。
 アルパカのペンなんて会社で使えるかよ……と思いながらも、俺のために選んでくれたのが嬉しくて、彼女に見られないようにこっそりと頬を緩めた。

< 216 / 349 >

この作品をシェア

pagetop