毒舌社長は甘い秘密を隠す
だけど、盛り付けから目を奪われる魅惑的なケーキやパフェに隙を奪われ、すごく美味しそうに食べる彼女を見ていたら、そんなことはどうでもよくなってしまった。
好きになってもらおうと必死になったって、最終的に選ぶのは彼女だ。
今、俺ができることをしよう。
一緒にいて楽しいと思ってもらえたら、今日のところはいいじゃないか。またデートに誘えるきっかけを作る方が先だろう。
「ピスタチオのアイス、食べていい?」
「どうぞ! すっごく美味しいですよ」
にこっと微笑む彼女は、なんだか幸せそうだ。
会社では見せないその表情をひとり占めできたからか、アイスや生クリームの味なんてすぐに忘れてしまった。
「社長もこのあたりにはよくいらっしゃるんですか?」
「家が近いから、しょっちゅういるよ」
頑なに俺を名前で呼んではくれないけれど、目の前でパフェを食べる彼女を見ていたら、不意にやわらかく微笑まれて心を掴まれた。