毒舌社長は甘い秘密を隠す

 今日の一日を、彼はどんな気持ちで過ごしていたんだろう。
 私が〝一生、ついていく〟と宣言した意味を、少しはわかってくれていたらいいなぁ。

 もしかしたら、とっくに私の気持ちに勘付いているのかもしれない。顔を赤くしてしまったり、抱きつかれてもキスをされても受け入れているのだから、いい加減バレそうなものだ。
 プラネタリウムで見つめ合った時、本当はキスをしてほしかったなんて知ったら、彼はどう思うんだろう。


 でも、彼には縁談がある。
 相手のあることだからと言って、断った様子ではなかった。気にしなくていいと言われたけれど、あれはどういう意味だったんだろう。

 タブレットで来月末の非公開の予定を確認する。
 やっぱり今日も予定はそのままだ。
 彼なりに、縁談を前向きに考えているところなのかもしれない。話がまとまり次第、秘書の私にも情報共有されるのだろう。

 海外の令嬢との縁談を蹴って、私を選んでくれる可能性は低いと思う。
 だけど、このまま想いを隠して過ごしていくなんて、耐えられるはずがない。


 今夜なら、もう少しだけ踏み込んでみてもいいのかな。

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