毒舌社長は甘い秘密を隠す

「先に、俺の気持ちを話していいか?」
「はい」

 目をつぶってしばらく黙っている彼の言葉を待つ。

 彼が今、この三カ月間のことを思い出してくれているとしたら、なにを思うんだろう。


「優羽」

 そして、不意に私を見つめた彼の瞳の真剣さに息をのむ。


「行くな」

 一瞬にして、私の心が震えて撃ち抜かれた。


「俺は、君を離さない」
「社長……」

 熱のある言葉に、泣いてしまいそうになる。
 でも、そんなことをしたら驚かれてしまうだろう。泣くほどのことかと理由を聞かれそうだ。


「……まぁ、こっちも仕事があるから、君がいないと困るだろ? それだけは分かってくれ」

 そういうと、彼はすぐに背を向けてしまった。

 だけど、話してくれたその表情は、いつもの彼ではなかったようにも思う。
 真剣味を帯びた瞳の強さの奥に、なぜか切なさを感じたのだ。

 まるで、引き留めてほしいと願ってやまない、私の想いが移っているようにも見えた。

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