毒舌社長は甘い秘密を隠す
 翌朝、誰もいない彼の部屋で目が覚めた。ブランチも適当に済ませ、夜に戻ると言っていた彼を待ちわびる。

 どんなに悩んでも、答えはひとつ。
 秘書としてでもいいから隣にいられる方法があるなら、彼に尋ねてみようと決めていた。


 ――二十時過ぎ。
 玄関のドアが開く音がして、私はスリッパの音を立てながら小走りで向かう。


「ただいま」
「おかえりなさいませ」

 リビングに向かった彼に続き、私はキッチンから缶ビールを取り出した。


「よくわかってるな。ちょうどビールを出してもらおうと思ってた」
「運転されてきたと思ったので、まだ今日はお酒を飲まれていないと思ったんです」
「さすが、俺の秘書だな」

 褒めてもらえてうれしいのに、今夜は切ない。
 いつか、こうやって微笑みかけてもらうこともできなくなるなんて……。


「社長、ご相談があります」

 ソファに座っている彼の隣に、ふたり分の距離を置いて私も腰かけ、彼に身体を向けた。

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