毒舌社長は甘い秘密を隠す

「来期以降も、私を社長の隣に置いていただけませんか?」
「……君を親会社に呼べと?」
「無理を申し上げているのは承知しています。それでも、私は井浦社長の元で働きたいんです」

 いくら社長でも、こんな特例はないだろう。
 だから、きっと呆れられるだけだ。でも、このまま来春まで過ごしたら、きっと後悔すると思った。


 頭を下げて、真剣に願う。
 恋人になれなくてもいい。いつか、片想いは情に変わってくれるかもしれない。
 その前に、彼は海外の令嬢との縁談を進め、誰もが羨むような家庭を築くだろう。

 でも、彼と離れるなんて考えただけで、胸の奥が苦しくてたまらない。


「顔を上げろ」
「……はい」

 冷たい声色が返され、予感は当たったのだろうと察した。

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