毒舌社長は甘い秘密を隠す
「お前が好きだ。気持ちを尊重するようなことを言ったけれど、九条さんの話には最初から大反対だよ」
「社長……」
一昨日の言葉が、秘書としての私を引き留めただけではなかったのだと知って、胸の奥が苦しくなる。
彼の気持ちは嬉しいけれど、今後の社のためにも、そして彼の父親の顔を立てることを考えたら、すぐに気持ちを受け入れて胸に飛び込むわけにはいかなくて。
「そう遠くないうちに、君の気持ちも聞かせてほしい」
「……はい」
どんな返事をしたらいいのだろう。
自分の気持ちを抑え、真逆の答えを返したら、今の関係は崩れてなくなってしまうのかもしれない。
それとも、仕事と私情は別物と割り切ってくれるだろうか。
「それから、今夜から遠慮なく君を愛させてもらうから、そのつもりでいろ。わかったな」
彼はそう言い残し、グラスを持ってソファから立ち上がり、書斎に入ってしまった。