毒舌社長は甘い秘密を隠す
心を整理するためにお風呂に入って、寝支度を整えた。
時計を見れば日付が変わったところ。明日からまた一週間が始まるし、早々に眠ろうと寝室に向かう。
ドアを閉めようとしたら、ちょうど書斎で仕事をしていた彼が洗面室に入っていく背中が見えた。
ベッドに入ったけれど、『今夜から遠慮なく君を愛させてもらう』と言われたせいで、寝付けるはずもない。
身の振り方だって、ちゃんと答えを出せていないのに。
彼が来る前に眠ってしまえたらいいと思ったのに、目が冴えてしまう。
そして、何度も寝返りを打っていたら、シャワーを浴びてきた彼が上半身をあらわにした姿で、とうとう寝室に入ってきた。
「まだ起きてたのか」
「……なんだか眠れなくて」
「絵本、読んでやろうか?」
いつも以上にドキドキしている私の隣に、慣れた様子で彼が横たわる。
自然と私の頭の下に長い腕を差し入れてきて、距離が一気に縮まった。
「目をつぶっていたら、そのうち眠れると思います」
「そう。じゃあ、俺はいつも通り君を抱きしめて眠ることにするよ」
今日に限って彼は真正面から私を抱きしめた。
雄々しい胸元に頬が触れ、呼吸するたびに温もりを帯びた彼の匂いがして、鼓動が鳴りやみそうにない。