毒舌社長は甘い秘密を隠す
「昨日のこと、どこまで覚えてる?」
「えっと……」
食事をしながらワインの知識を少し聞いて、社長がワインにも詳しいことを知った。
それから、デートしながらも彼の縁談のことが気にかかってしまって……。
ジャケットはハンガーに掛けてあるけれど、シャツとスカートは履いたまま。だから、社長と秘書の間にあってはならない関係にはなっていないのは分かる。
記憶を辿っていると、彼がベッドに腰かけてきた。
背中を見るだけで鼓動が急く。なにかあったわけじゃないとしても、ホテルの一室で見せられるといつも以上に意識せずにいられなくて。
「君の好きなタイプを聞いたら、俺だって言ってたよな?」
「……そんなことは言ってません」
「違うとも聞かされてないけどな」
昨夜と似たような会話をして、まざまざと蘇ってきたワンシーン。
テーブルの向こうにいた彼は、とても色っぽくて容易く私の想いを突き動かそうとした。