毒舌社長は甘い秘密を隠す

「よかった……」

 ずっと苦しかったから、安堵が漏れる。
 好きだって言えなくて、つらかった。
 いつまでも彼といたいのに、彼は私じゃない人と家庭を築くんだと思うと切なくて……。


「社長、お話があります」
「後にして。俺が先」
「大切な話なんです」
「俺の話のほうが大切」

 互いに譲らず、どちらからともなく笑ってしまった。


「もう、せっかく告白しようとしたのに、台無しです」
「こっちの台詞だよ」

 クスクスと笑い合いながら、見つめ合う。


「社長、好きです」
「知ってる」
「何事も報告・連絡・相談は必要ですので」

 しれっとした返事をされたから、秘書として言い返すと、彼は私の頬にそっと手を添えた。


「じゃあ、俺は相談がある」
「……なんでしょう?」
「俺の恋人になってみない? 幸せすぎて笑い皺が増えるかもしれないけど」
「なるに決まってるじゃないですか」

 夜景が煌めく広いリビングの傍らで、床に座ったまま彼とキスをした。

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