毒舌社長は甘い秘密を隠す
「楽しかったよ。靴一足にしても、優羽がその時どんな気持ちで過ごしてたのか見ているようで。全部が、今までの優羽の一部だろうから」
やんわりと微笑む彼が愛しくなって、私から彼の肩にもたれかかった。
「どうした? 随分と今日は甘えてくるじゃん」
「……いつも甘えてるつもりです」
「だとしたら、お前は甘え下手だな。もっと全身全霊で俺を頼ってこないと、甘えられ甲斐がない」
「なんですか、それ」
ぷっと吹きだすと、彼も小さく笑った。
「俺たちのこと、会社ではこれからも秘密な」
「もちろんです」
「それと、今夜からアレ、着てくれる?」
「えー? またですか?」
アレ、とは彼が好んでいるルームウェアのことだ。
ついこの前、秋冬物を新調したと言って、わざわざ買ってきてくれたのだけど、まだ暑いと言って先延ばしにしていた。