毒舌社長は甘い秘密を隠す
――その夜。
寝支度を整えて、寝室に向かうと彼が先にベッドに入って本を読んでいた。
私は約束通り〝もふもふ感〟のあるルームウェアを着ている。
「あぁ、やっぱりいいね。すごく似合ってる」
彼の隣に入り、背を向けて横たわる。
似合ってると言われても、ルームウェアだし彼が用意していたものだし、なんだか微妙な気分だ。
「あれ? 怒ってる?」
「別に、怒ってませんけど」
怒ってはいない。でも、ちょっと不服だ。
同棲の初日くらい、私のことを褒めてくれたり気にかけてくれると期待していたからだと思う。
「っ!?」
不意に彼が背中から私を抱きしめてきた。
「怒らないでよ、優羽」
「怒ってません」
「嘘だね」
抱きしめてくる手で強引に反転させられ、向かい合わせになってしまった。
フードをかぶっている私は、俯いて目を逸らす。
ギュッと抱きしめてくる彼が、深く息をついた。