毒舌社長は甘い秘密を隠す

「俺に隠しごとする気?」
「違います」
「何事も、報告・連絡・相談」
「…………」

 そう言われても、ルームウェアではなく私に興味を持ってほしいなんてどう話せばいいのか。
 フードの影に隠れ、俯いたままで思い悩む。
 大したことじゃないのかもしれないけど、彼の〝もふもふ愛〟に時々嫉妬してしまいそうになる。


「言わないと、明日の朝、会社のエントランスロビーでキスする」
「そ、それはダメです! 業務に支障をきたしかねません」

 焦って顔を上げたら、優しく見つめる彼と目が合った。


「ルームウェアを着てない私を構ってほしいんです」
「……はぁー。お前、分かってないね」

 今度は大きくため息をついた彼が、勢いよく覆い被さってきた。


「社長、待って」

 前身ごろにあるファスナーを、彼が少しずつ下げようとする。
 だけど、すぐにその手は止まり、彼はつらそうな表情を見せた。


「お前を大切にしたいんだよ。だから、お前が着てるひらひらのパジャマだと俺が耐えきれないの。これなら厚みがあって露出が少ないからちょうどいいんだよ。こんなこと言わせるな」

 一気に話した彼は、私から下りると背を向けて横になってしまった。

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