毒舌社長は甘い秘密を隠す

 年末年始までは、ふっと息をついたら日が変わっていたかのように慌ただしかった。

 クリスマスは彼とホテルでデートをし、年末はそれぞれ実家に戻って過ごした。
 年が明けてから一緒に初詣をして、数日ゆっくりと過ごしたら、あっという間に仕事始めを迎えていた記憶がある。

 一月以降、社長交代の挨拶を兼ねて方々に出向き、千堂副社長の都合がつく日は一緒に客先に足を運んだ。
 そんな中でも、一緒に暮らす家に帰れば、仕事を忘れて楽しく過ごせたのは、彼が私を気にかけてくれたからだと思う。


 ――二月。
 社長の異動まで、残すところ一カ月になった。

 彼は、親会社のあるフロアと行き来することが増え、一層多忙を極めている。
 来客の予定が最も組みにくく、時にはランチタイムを少し削ることもあった。
 だけど、それも数日すると落ち着きを取り戻し、社長室で千堂副社長と話したり、親会社の会議に顔を出す時間がメインになってきた。

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