毒舌社長は甘い秘密を隠す
【今日は早く帰れそうだ。銀座駅で待ち合わせよう】
私用携帯に彼からメッセージが届いた。
壁を隔てた距離にいるのに、密かにこんな話をしていることにドキドキする。
どんなに忙しくても、時間があればデートをしてくれる彼が大好きだ。
【はい。帰るときに連絡ください】
返信してから、緩んでいた表情をキュッと引き締めて業務に勤しむ。
仕事の後にデートできると思うだけで、どんなに面倒な仕事もやり残すことなく終わらせることができた。
待ち合わせたのは、十九時半。
彼の仕事が少し押してしまい、私が先に来て待っているところだ。
街並みはどこもかしこもバレンタイン一色。街ゆく人たちも恋人の姿が目立つ。
【ごめん、もうちょっとで着く。先に店に行ってて】
【わかりました。場所を教えてください】
メッセージでやりとりをしていると、彼から電話がかかってきた。