毒舌社長は甘い秘密を隠す
景色のいいバスルームでゆったり過ごし、豪華なルームサービスの料理を堪能する。
彼は、下階にある大好きなカフェのデコレーションケーキまで用意してくれていて、優しい心遣いを感じた。
「優羽、もっとキスして」
ベッドの上で、彼のおねだりに応える。
時折嬉しそうに表情を崩した彼は、私の首筋や耳たぶをやんわりと食んだ。
「……今だから言いますけど、私、社長のことがずっと好きだったんです」
「ずっとっていつから?」
「入社して、営業に配属された頃からです」
彼は愛でる手を止め、じっくりと見つめてくる。
「俺も、お前をいつか秘書として迎えようって虎視眈眈と狙ってた」
今日は驚きの連続だ。
遠回りをしたかもしれないけど、仕事を通して付き合ってきた時間がある分、彼のことを知ることもできたのだから、今はこれでよかったんだと思える。
ひとつになったベッドの上、彼の情熱的な瞳に心を奪われた。
互いに想い続け、焦らされてきたぶん、身体の奥で爆ぜるような彼を感じ、何度も身体を震わせる。
「優羽、愛してるよ」
「私も、響さんだけを愛してます」
思うままにキスをして求め合い、心まですべてを預け、ともに果てた。