毒舌社長は甘い秘密を隠す

 むしろ、これはアルパカというよりも、ふわっふわの服を着た人間だ。
 アルパカの着ぐるみのようなその服は見るからに手触りがよさそうで、私はできるだけ気配を消して手を伸ばす。

 ……うわぁ、もふもふしてる。

 いやいや、手触りに感動している場合じゃなかった。明らかに不審者だろうし、警備員に来てもらおう。

 自席から取ってきた社用携帯を操作して、警備員室の番号を表示した。


「キュキュキュ」

 またしても鳴いたアルパくんの声で、通話ボタンを押そうとしていた指が止まる。


「んー……どうした? アルパ」

 次の瞬間、聞こえた声に私はハッとして目を疑った。

 目深に被っていたフードはそのままに、のそりと上体を起こした男の姿に見覚えがありすぎて……。

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