毒舌社長は甘い秘密を隠す
「沢村さんこそ、こんな時間になにをしている?」
「私は、社用携帯を忘れたので取りに戻ってきたところでして」
「そう」
スラッとした長身を見上げると、私の頭が一気に後ろに傾く。
ついさっきまでアルパくんに話しかけていた優しい声色はどこへやら、毒舌な彼が私の前に立った。
「今見たこと、秘密にできるよな?」
「…………」
毎日接していても慣れない彼の存在感に圧されて、つい声が詰まる。
社内外の女性を虜にしている麗しい顔立ちと、涼しげな二重の瞳をつい見つめてしまった。
「聞いているのか?」
「っ、はい」
「秘密にできるな?」
「……どうして、こんな時間にここにいらっしゃったのか、しかもそんな格好をされている理由を教えていただければ」
条件を付けるのかと冷たく言い放った彼は、踵を返して再びアルパくんたちを優しく撫でた。