毒舌社長は甘い秘密を隠す
ソファに戻るものだと思っていたのに、社長はシンクに両手を突いて私を囲んだ。
「沢村さん」
「っ、はい」
後ろから耳元で話され、思わず肩が上がってしまった。
彼の甘い声色も、香水の匂いも知っているはずなのに、今夜はなんだか特別ドキドキさせられる。
「癒しの代替案だけど」
「はい」
「俺専属にならない?」
「……と、申しますと」
申し出の意味がいまいち分からず、聞き返す。
察しが悪いと苛立ちをぶつけられることもあるから、もしかしたら深くて重いため息をつかれると思っていたのに……。
「ここで暮らしなさい。君に癒してもらうことに決めた」
「えっ!?」
抱きすくめられて、断り文句も浮かばない。
言葉は強引なのに、社長は優しく、ほんのりいい匂いを漂わせながら私を包み込んだ。