桔梗の華 ~途中公開~
「ねえ神威、妖気が近い」
「あぁ、妖怪の仕業か」
森の奥へ奥へと歩いていくと
段々に妖気が近くなってくのが分かる
奥から声も聞こえてきた
「これは高値で売れるぞー、見慣れない衣故に遊んで暮らせるな!」
「でも女の子可哀想じゃない?きっと風邪ひくよ…」
男の声が聞こえる、しかも2人も
草木を分けて声のしたとこに行くと
私の制服も広げて驚いた男の人と
大きな刀を磨いていた男の人がいた。
「人間?でも確かに妖気がするのに。」
ここに妖気が充満してるのは間違いない
ハッと気づく、あの男の刀からだ!
「おいてめーら、盗んだもの返しやがれ」
神威が1歩前に出ると男2人は距離をとる
刀を持った男は戦闘態勢に入った。
「へえ~、妖怪が人間の女の子とつるんでるだ~」
私の制服を持った男は余裕そうに笑う
「ちょっとあんた!私の服返してよ!」
「桔梗!さがってろ!隣のアイツ…あの刀は妖刀だ。」
妖刀?妖怪の妖力が込められた刀って事?
だからあんなにあの刀からは禍々しい気が
溢れだしているんだ。
「俺たちは妖怪退治屋さ。でも食ってく為に悪いこともしないといけないの~」
軽そうに喋る男はどうやら制服を返してはくれなそう。
「蘭丸、殺っちゃっていいよ」
「分かったよ。凛丸」
蘭丸と呼ばれた妖刀使いが神威に向かって
刀を振り下ろす
神威もそれを避けて2人の戦いが始まった。
「さて…そこのお嬢さんは人間だから殺さないから安心してね?」
凛丸は笑っているけどその笑顔は冷たい
神威と蘭丸が戦ってる中、
凛丸が私に近づいて来る。
「なんで人間が妖怪とつるんでるのかな?」
ゾクっとした。とても冷たい声で
私の体は微妙に震えた
「神威は…悪い妖怪じゃないもの」
「へえ~、ところで」
凛丸が私の胸を指指して
また貼り付けた笑顔で
「なんで君が金源の勾玉を持ってるのかな?」
なんで分かったの?
勾玉は胸にしまってたのに
この人普通の人じゃない
「あ~俺は元々寺の子だから少し気配とかは分かるんだよね~。金源の勾玉は封印されてたんじゃないのかな?」
「私だって分からないから旅をしているの…」
「君に扱える代物じゃないよ」
手が私の胸元に伸びてくる…
と思ったら鋭い風が私と凛丸の間を避けた。
「神威…」
蘭丸と戦いながらもこっちを気にして
助けてくれたんだ。
「へ~大切にされてるんだね」
「貴方達も人間でしょ?なんで勾玉を狙うの?」
「別に狙った理由じゃないし、欲しくもないけど君が持ってても意味は成さないと思ってね」
ニコっと毒を吐くこの男
凄く苦手だ…
「妖怪退治屋って言ったわよね。」
「そうだよ~」
「なら…闇雲って分かる?」
凛丸の表情が変わった。
無に近い…怖さよりも
何も感じない表情に…
「何故闇雲を知ってる」
さっきまでと口調が変わり
真剣な瞳が私を映す
そして凛丸は蘭丸に合図して
神威に向けてた刀を閉まった。
「こら!てめー!まだ勝敗ついてねーだろーが!」
ギャーギャー騒ぐ神威を置いて
凛丸の元に来る蘭丸
それを追ってか神威も私のところに来た
「私は元々この時代の人じゃないの、どうやらこの時代にいた巫女の生まれ変わりらしくて気づいたら私はここへ来て勾玉が復活したみたいなの。」
ちらっと神威の様子を伺いながら
話を続けた
「闇雲は私がここへ来る事も勾玉が復活する事も知ってたかのように大量の妖怪を連れて襲ってきたの。その時に封印されてた神威を解放して神威は闇雲と戦ったの。でも不意を付かれて闇雲は私に手を伸ばしてきた。そしたら私から光が放たれて闇雲は半分削られて消えたの。それしか分からないけど…きっと闇雲はまた勾玉を狙いに力を付けて来ると思う。」
長々とした話を黙って聞いた蘭丸と凛丸は
少し考え事をしたあと口を開いた。
「闇雲は俺達がどうしても倒さなきゃいけない妖怪なんだよ。」
「凛丸と僕は幼い頃から一緒で、僕らの村の一族は代々に渡り妖怪退治屋をしていたんだ。この妖刀も僕らの一族が作った。」
「俺と蘭丸と、あと一人仲良かった奴がいたんだ。鈴音って女の子で、」
話をしている2人の顔は後悔と悲しみが
混ざっていて心が痛んだ