恋を知らない
くそっ。ぼくは自分を呪った。
そうなのだ。
確かにぼくの下腹部はもう充分に熱く興奮しているのだった。
くそっ。何がセックスしたいというのとは違う、だ。ぼくの体は勝手に「めぐみ」とセックスしたがっているじゃないか。
「めぐみ」のマリアがぼくの首から腕を外し、体を沈めた。ひざをつき、ぼくのズボンのジッパーに手をかけた。
「おい、何を?」
「うふふふ、お口でしてあげる」
「よせ……あ」
止めようとしたぼくの手を邪険に払いのけ、「めぐみ」のマリアはやすやすとその作業を始めた。
「ああっ……」
ぼくは彼女の口と舌で与えられる快感にうめき、天井を見上げた。
同時に、ひどい罪悪感も覚えていた。
街で見たあのかわいらしい女の子を、ぼくのモノで汚している。そんな気分だった。
ぼくは泣きたい気持ちで懇願した。
「頼むよ。『めぐみ』をそれ以上汚さないでくれ」