恋を知らない
彼女は自慢そうにぼくを見上げて、ふふーん、と卑猥に笑った。
それから口による愛撫を加え始めた。
「あぅぅ……」
ぼくはうめいた。
それは確かに目のくらむような快楽だった。
だが、同時に地獄の快楽でもあった。
――あー、すみません。
あの日、リボンを拾って渡したとき、「めぐみ」は何がおかしいのか、ケラケラと笑いながら、ぼくの手からリボンを受け取り、おじぎした。あのかわいらしい女の子の口を、とうとうぼくのモノで汚してしまったのだ。
「くそっ」
思わず「めぐみ」のマリアを突き飛ばしていた。
彼女は、「きゃっ」と小さな悲鳴をあげると、床に尻もちをついた。
お尻をついたまま、どうして乱暴に扱われたのかわからない、というように、きょとんとした表情でぼくを見上げる。
その両ひざが立ち、制服のスカートがまくれ上がって、ふとももの奥の女の子の大事なところが見えていた。
なのに、「めぐみ」のマリアは、そんなとき人間の女の子がするように、スカートのすそをあわてて引っぱって大事なところを隠す、ということさえしなかった。
それどころか、ぼくの視線がそこに注がれていることに気づくと、媚びるような笑みを浮かべ、ゆっくりと両脚を開きはじめたのだった。