言い訳~blanc noir~
「最近のマンションって凄いんですね!エントランスなんて高級ホテルみたいだし!」
マンションのパンフレットを眺める沙織は、運ばれて来たハンバーグにさえ気付かない様子で目を輝かせている。
マンションのモデルルームを出た後、沙織がハンバーグが食べたいと言い出し、最近雑誌やメディアに取り上げられているハンバーグ専門店にやって来た。
「早く食べないと冷えるよ」
「あ、いけない。いただきます」
パンフレットをソファに置き沙織が手をあわせる。
来年の春完成予定の分譲マンションは立地条件も悪くない。
リビングに面した南向きの窓は陽当たりが良く、部屋の間取りも3LDK、4LDKと和樹が希望しているものだった。
ちょうど最上階のエレベーターを降りて正面の角部屋がまだ予約が入っていないという事もあり、検討する価値は十分ありそうだ。
そして何よりも気に入ったのはペットが2匹まで飼育可能であるという事だった。
まだマンションそのものは完成されていないためマンションメーカーの本社ビルにモデルルームが再現されていた。
イタリアの建築デザイナーが日本で初めてマンションを手掛けたという事もあり、全体的にハイクラスのホテルのような重厚な雰囲気が感じられた。
「ご主人様って年収凄いんですね。大手銀行マンってそんなに貰えるんだぁ。びっくりしちゃった」
「その分身を粉にして働いてるからね」
「そうですね。朝は早いし夜は遅いし。ご主人様お仕事頑張ってますしね。私も料理もっと頑張らなくちゃ」
沙織がハンバーグを頬張りながら「美味しい」と幸せそうに目を細める。
「料理もだけど、私もっと床上手にならないと」
「こんな場所で何言ってるんだよ」
和樹が笑うと沙織が「だってぇ」と口先を尖らせた。
すると沙織の携帯電話がバッグの中で鳴っている微かな音に気が付いた。
「沙織、携帯鳴ってない?」
「え? あ、本当だ」
沙織がナイフとフォークを皿の上に置き、バッグの中から携帯を取り出す。すると着信音がそこでぴたりと止まってしまった。
一瞬、沙織の顔から表情がふっと消えた事に違和感を覚えた。
「誰から?」
「知らない番号でした」
すぐにそれが嘘であるとわかったがあえて何も言わなかった。
マンションのパンフレットを眺める沙織は、運ばれて来たハンバーグにさえ気付かない様子で目を輝かせている。
マンションのモデルルームを出た後、沙織がハンバーグが食べたいと言い出し、最近雑誌やメディアに取り上げられているハンバーグ専門店にやって来た。
「早く食べないと冷えるよ」
「あ、いけない。いただきます」
パンフレットをソファに置き沙織が手をあわせる。
来年の春完成予定の分譲マンションは立地条件も悪くない。
リビングに面した南向きの窓は陽当たりが良く、部屋の間取りも3LDK、4LDKと和樹が希望しているものだった。
ちょうど最上階のエレベーターを降りて正面の角部屋がまだ予約が入っていないという事もあり、検討する価値は十分ありそうだ。
そして何よりも気に入ったのはペットが2匹まで飼育可能であるという事だった。
まだマンションそのものは完成されていないためマンションメーカーの本社ビルにモデルルームが再現されていた。
イタリアの建築デザイナーが日本で初めてマンションを手掛けたという事もあり、全体的にハイクラスのホテルのような重厚な雰囲気が感じられた。
「ご主人様って年収凄いんですね。大手銀行マンってそんなに貰えるんだぁ。びっくりしちゃった」
「その分身を粉にして働いてるからね」
「そうですね。朝は早いし夜は遅いし。ご主人様お仕事頑張ってますしね。私も料理もっと頑張らなくちゃ」
沙織がハンバーグを頬張りながら「美味しい」と幸せそうに目を細める。
「料理もだけど、私もっと床上手にならないと」
「こんな場所で何言ってるんだよ」
和樹が笑うと沙織が「だってぇ」と口先を尖らせた。
すると沙織の携帯電話がバッグの中で鳴っている微かな音に気が付いた。
「沙織、携帯鳴ってない?」
「え? あ、本当だ」
沙織がナイフとフォークを皿の上に置き、バッグの中から携帯を取り出す。すると着信音がそこでぴたりと止まってしまった。
一瞬、沙織の顔から表情がふっと消えた事に違和感を覚えた。
「誰から?」
「知らない番号でした」
すぐにそれが嘘であるとわかったがあえて何も言わなかった。