恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
「お待たせしてしまいましたか?」
待っているという駐車スペースに戻って来た。
「そうでもないよ。…本当に来てくれたんだ…。さあ、乗って?」
高守さんは料金ボックスで精算をした。車の横で待っていたらドアを開けられた。
「どこへ行こうか」
「え?」
高守さんは頭を指先で掻いた。
「ごめん、何も考えてないんだ。…中断はあったけど、またこうして会える事ができた。それが嬉しくて…待ってる間は何も考えてなかった。もしかしたら、もう会えないかと思ってたから」
ぁ、ちょっと胸が痛い…。だからさっき、本当に来てくれたんだって呟いたんだ。だから…どうか解らないから、迎えに来ようとしてたんだ。
「時間も時間だから、先にご飯に行こうか」
先に?後に何かあるの?考え過ぎだ、これはただの言葉のあやかも知れない…。
「変といったら変な事してるんですかね。こういうのって」
私…一日に上手く時間配分して、違う人とデートしてるみたいな事。…違うけど。
「そんな酷い女…有り得ない…」
いけない。呟いちゃった。慌てて口を塞いだ。
「ん?どうかな…。私としては誤解が解けて嬉しい。でなければ、狡くて酷い男だと思われて終わったままだったから。それに限るかな。変だとは思わないよ。
例えは、いいかどうか解らないけど、喧嘩して仲直りして会ってるみたいなモノ、かな」
「私、何だか、勢いで…」
返事をしてしまった。
「カフェに居たって言ってたね。一人で?」
「え?あ、それは、違います」
「……彼?」
「あ、それは違いますから。何て言うか、あまり知らない人?」
彼は居ないって言ってあるのに、信じられてないのかな。
「ん?知らない男性と?」
なんで男性って解ったんだろう。彼の部分しか否定しなかったからかな。…あまり知らない人、となんて、どう思っただろう。…本当だから仕方ないけど。
「偶然知り合いになりました。最初、迷惑を掛けて、そしてまた今日、偶然会ったんです。…高守さんと別れた後で、携帯の番号を歩きながら消していたらぶつかったんです」
「私の番号?」
「はい」
…ごめんなさい。
「迷いなく消したんだね」
あー、ごめんなさい。
「すみません。あの流れで。もう、頭が完全に思い込んでいて。そういうのは有り得ないって…躊躇していてはいけないと思ったのもあって。…あの、本当に失礼な事を勝手に思い込んで。すみませんでした」
「いや、有言実行って事でいいんじゃないかな。私の番号で連絡が来て、どう思った?溜め息が出たかな」
「どうして、って、思いました」
「しつこいなって?」
「しつこいというか、見ないでいたら終われるのかなって。終われるかなってのも、可笑しいですね。始まらないかなって言った方がいいですね」
「じゃあ、見てくれたのは?どうして?」
車が急に左折した。勢いで少し身体が運転席に傾いた。
「ごめん、大丈夫だった?」
「はい。あ、えっと、何となくって感覚、解かってもらえますか?」