キミに嘘を吐く日
宇野くんの気持ちが嬉しくて、胸の奥から込み上げてくるものを堪えきれなかった。
ポタポタと目から溢れて溢れる涙を両手で何度も何度も拭って、それでも止められなくて……。
宇野くんが困るって分かるけど、全然涙は止まってくれなかった。
涙や鼻水で最低の顔を晒すのも嫌で、俯いて顔を掌で覆う。
「泣き虫」
やっぱり呆れた声で宇野くんが小さく笑うのが聞こえた。
そして、ギュッと強く抱きしめられる。
「⁉︎」
「まぁ、いろはの泣き顔、嫌いじゃないんだよな、」
「な、何言って……」
「泣いた顔だけじゃないよ。怒った顔も、拗ねた顔も、笑った顔も……全部好きだ。」
「う、宇野くん?」
西条さんが聞いていたら、きっと怒るだろう言葉を平気で紡ぐ宇野くんを、何事かと不安に思った。
「いろは、あのエイプリルフールの日からやり直させてくれない?」
「宇野くん、一体何を言ってるの?」
驚きの余り、涙まで引っ込んでしまった。
顔を上げると、すぐ目の前に宇野くんの真剣な表情がある。
私を抱きしめていた腕を解き、一歩下がって彼は頭を下げて片手を差し出した。
「御門いろはさん!俺はいろはのことが好きです!……まだまだガキで頼りないし、嘘をついていろはのことを傷つけたりもしたけど、これからは、いろはを大切にする。絶対嘘なんか吐かないし、裏切ったりもしない」
急に大きな声をだした宇野くんにびっくりして声も出ない。
でも、彼の口から紡がれる言葉は一つも取りこぼすことなく聞こえていた。
「だから……俺の彼女になってください」
差し出された手の指先が微かに震えているのが見えた。
彼の想いに応えたいのに、手も口も動かない。
だって……宇野くんは。
ポタポタと目から溢れて溢れる涙を両手で何度も何度も拭って、それでも止められなくて……。
宇野くんが困るって分かるけど、全然涙は止まってくれなかった。
涙や鼻水で最低の顔を晒すのも嫌で、俯いて顔を掌で覆う。
「泣き虫」
やっぱり呆れた声で宇野くんが小さく笑うのが聞こえた。
そして、ギュッと強く抱きしめられる。
「⁉︎」
「まぁ、いろはの泣き顔、嫌いじゃないんだよな、」
「な、何言って……」
「泣いた顔だけじゃないよ。怒った顔も、拗ねた顔も、笑った顔も……全部好きだ。」
「う、宇野くん?」
西条さんが聞いていたら、きっと怒るだろう言葉を平気で紡ぐ宇野くんを、何事かと不安に思った。
「いろは、あのエイプリルフールの日からやり直させてくれない?」
「宇野くん、一体何を言ってるの?」
驚きの余り、涙まで引っ込んでしまった。
顔を上げると、すぐ目の前に宇野くんの真剣な表情がある。
私を抱きしめていた腕を解き、一歩下がって彼は頭を下げて片手を差し出した。
「御門いろはさん!俺はいろはのことが好きです!……まだまだガキで頼りないし、嘘をついていろはのことを傷つけたりもしたけど、これからは、いろはを大切にする。絶対嘘なんか吐かないし、裏切ったりもしない」
急に大きな声をだした宇野くんにびっくりして声も出ない。
でも、彼の口から紡がれる言葉は一つも取りこぼすことなく聞こえていた。
「だから……俺の彼女になってください」
差し出された手の指先が微かに震えているのが見えた。
彼の想いに応えたいのに、手も口も動かない。
だって……宇野くんは。