変わる想いを貴方に捧げる

···やっと


「伝えてこい。お前の気持ちを。」
と、拓真さん。
「鈴音、和真兄さんの横に立つと
言うことは、大変なことよ。
だけど、私達が鈴音の力になるから。」
と、晶さん。
鈴音の頬には涙が流れた。

蒼真さんが
「行っておいで。
兄さんが首を長くして待ってるよ。」
と、言ってくれて
鈴音は、涙を拭きながら
コクンと頷いて
「‥‥ありがとうっ‥ございます。」
と、言って頭を下げた。

みんなに見送られて
鈴音は、和真の部屋に向かった。

晶さん達は、ああ言ってくれたが
和真さんにどうした?と
言われたらどうしよう。
と、思うと中々ノックできずにいると
「まったく、いつまで
俺を待たせるんだ。
鈴音、お前だけだぞ。」
と、部屋の中から
鈴音がそっとドアを開けると
和真さんは、こっちを見て
笑っていた。
「まったく、お前は
いつまで俺を待たせる?」
「‥‥だってっ‥‥‥」
「おいで。」
と、手をだしてくれたから
その手を取ると
強く引かれて
鈴音は、和真に抱き締められた。
「やっと、二人になれたな。」
「心配しました。痛みは?」
「ああ、問題ない。
  鈴音、それだけか?」
「‥‥えっ‥と‥私······
 和真さんの·····ことが‥‥
     ‥‥好きです?‥‥」
「なぜ、疑問けいなんだ?
まあ、良い。やっとだな。」
と、言って和真は鈴音にキスをした。

キスは、何度も繰り返されて
その都度に深く長くなり
鈴音は、頭がボォーッと
「くすっ。鈴音、大丈夫か?
今日はここまでにしとく。」
と、言われて
鈴音は、真っ赤になりながら
「‥‥もぉっ‥‥‥」
と、言いながら
椅子に腰掛けて
和真と話しをした。

鈴音は、いつのまにか
和真のベッドに頭を置いて
寝てしまい
和真は、鈴音を自分のベッドに
入れて抱き締めて眠りについた。
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