妖怪師匠と優雅な時間
「今は、それでも構いません」

涼しげな目元が細くなる

師匠はハチワレの猫に近づいた

「稲荷さんも来ればいいのに」

ハチワレの猫は師匠によく懐いている

「わたしはどうせ嫌われてしまいます」

「僕が保証しますから
大丈夫、あのお狐様は怖くないよ」

猫に話しかけている
お狐様とは一体なんだろう

「さあ、触ってください」

恐る恐る近づいて猫に触れる
猫は大人しく擦り寄ってきた

「すごい…わたしこんなの初めてかも」

「よく言い聞かせましたから
とても頭のいい猫ですね」

「…たまたまに決まってる…」

「猫、君は妖怪になってはいけないよ
見たところもう寿命が来ている
それなのに生きているのは体に毒です
このままだともうすぐ妖怪になってしまいます」

「またそんなこと言って…
こんなに元気なのに」
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