雨女と机



土曜日と日曜日は何気なく過ぎていった。


月曜日、テスト本番。


わたしは重要なことを忘れていた。


この絵を消さなくては。


テストだからカンニングになってしまうから。


悲しくなった。


何となく絵を消したら、自分と繋がっていた凛さんも消えてしまう気がして。


だけど。


わたしはテスト2分前、黄色いシャーペンを握った。


(ありがとう)


猫は笑っている。


だけど、消しゴムに手を伸ばす――


窓の外は薄暗い。


そう、雨女。


別に雨は嫌いじゃないよ、雨女。





 おわり

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