極上男子っ!?
「なっ…!?」

「まぁー櫂さん女っ気ないから一気に誤解されちゃったんだよねぇっ」

楽しそうに笑う天くんを櫂くんはじろりと睨んだ。

「うるせぇ、余計なお世話だ。まぁそういうことでお前の周りに余計なことしやがるやつが出てくるかもしれねーってことだ」

そこまで言うと櫂くんは私を見つめた。
狙うような茶色の瞳に思わず固まってしまう。


「そこでだ、水森ひなこ。ほとぼりが冷めるまでお前、俺の女になれ」


「え」

「正直俺はお前に興味がある。一緒にいれば守ってやれるし俺らとしても元凶を突き止めてぼこぼこにできるメリットだってあるしな」

……いやいやいやいや。
なにか不満でも?みたいな顔されても!?

急に言われて頭が追いつかない。

櫂くんの隣に座っていた龍さんが口を開いた。

「お前的にはどうだ?一応女だろ、気にする男はいるか?」

「いや普通に女です…。気になる人も付き合ってる人もいないです。けど、」

生まれて16年。悲しいことに彼氏がいたことはない。
好きだった人も、まぁそんなにはいない。

だからこそ最初の恋愛や彼氏はトキメキをと思うのが乙女心だと思う。

でもそれをこの人たちに言うのも恥ずかしくてつい俯いてしまった。

「櫂。女心は複雑らしいぞ」

なんとなく私の気持ちを汲み取ったのか龍さんが櫂くんの肩をたたいた。

櫂くんはあ?と眉をひそめる。

「オネーサンはきゅんきゅんしたいんだよね?」

その隣で天くんも面白がるように言い放つ。

図星すぎて顔が熱くなるのを自分でも感じた。
< 10 / 15 >

この作品をシェア

pagetop