極上男子っ!?
そうして連れてこられた第二校舎。

第一とここまでかけ離れているのかというぐらいの喧騒と大音量の音楽。

その中の放送室に私は連れてこられていた。

放送室の中はまぁ普通の放送室とは少し改造されていて、なんというか……うん、部室感が強い。

櫂くんは放送室に着くと、そこでようやく私を下ろしてくれた。

私と対面になるように座る。

「昨日は巻き込んじまって悪かった。あれからなんともなかったか?」

「あっ、はいおかげさまで…?」

こっちも逃げてしまったことを謝った方がいいのかと頭を巡らせていると櫂くんが一つ息をついた。

覗き込むように私を見る。

「お前、俺らのこと知ってるか?」

「?特には…?」

お名前だけは覚えました、というと櫂くんはやっぱりなと言うように頭をかいた。

「第二校舎が荒れてるのはさすがに知ってんだろ。その中にも派閥がある。俺たちは時雨ってグループでまぁ喧嘩とかしてるわけなんだけど」

時雨。たしか昨日絡んできた集団の1人が櫂くんに向かってそう呼んでたな。

じゃあ櫂くんはそのグループのリーダー的な人ってことになるよね。

「昨日のやつら含め最近俺らに絡んでくるやつが多い。変ないちゃもんつけてくんだけど。」

そこまで言って櫂くんはあー、とだるそうに続けた。

「昨日お前が俺といたことが広まり始めてる。第一校舎の女と俺が付き合ってるってな」
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