極上男子っ!?
「だって素敵な告白とか、トキメキとかは大事にしたいし…」

消え入りそうな私の発言になるほど、と櫂くんがにやにやし出した。

「要するに恋愛は大事にしたいってやつだな」

「オネーサンかわいい〜」

すっごい馬鹿にされているような気がする。

3人に生暖かい目で見られますます顔が上げられない。

さすがにいたたまれなくなって席を立とうとしたときだった。


「ときめかせれば文句ねぇんだよな?」

一言。

ぽつりと言った瞬間私は櫂くんに顔を向けさせられていた。

…片耳ピアスの揺れる音がすぐ近くで聞こえる。

ほんの一瞬。あっという間に私の唇は奪われていた。

それは本当に突然であまりにも一瞬だった。

驚く暇さえないまま私は口をぱくぱくさせるしかできない。

唇の端をぺろりと舐めて櫂くんは私に笑いかけると

「惚れさせてやるよ。お前、俺の女決定な」

そう、言い放った。
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