冷たい君の不器用な仮面
「ココアでいいかい?」





ワイルドな雰囲気のマスターが、優しい声で私に尋ねる。






「あっはい!」





私が返事をすると、マスターはニコッと笑いココアを作り始めた。





……なんかこの空間、すごい落ち着く。





私は根拠のない安心感に、体をゆだねた。




家とは違う、暖かい静かな空間。




私は一気にここが好きなった。





「マスター俺コーヒーで!」




ユウが明るくマスターに注文する。





「……コーヒー」




レイがボソッとつぶやいた。





…注文なんだろうか。




私は隣ではてなマークを浮かべる。




でもマスターはそんな注文の仕方に慣れているのか、何も言わずコーヒーを2つ淹れ、カウンターに出した。
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