冷たい君の不器用な仮面
「……行くぞ」







「……ん」








バイクが走り出す。





私はヘルメットを頭にかぶせた。






私は結局ユウに何も打ち明けることなく、建物を後にした。






ユウは私が泣いている間、ずっと背中をさすりながら慰めてくれた。





まあ、そのおかげで涙はなかなか止まらなかったんだけど。







その間、レイは何も言わずに、ずっと部屋から外を眺めていた。





でも、こうしてまた家まで送り届けてくれるところを見ていると、やっぱり優しいな思う。





やはり兄弟というものは、どこか似るところがあるのかもしれない。






私はレイの後ろで、クスッと笑った。



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