冷たい君の不器用な仮面
「えっ、涼那?!」
太陽が、突然大声を上げて走り出した私を見て目を丸くする。
でも私はそんな太陽に『先帰ってて!』と一言叫び、また前に向かって走り出した。
ごめん太陽!また置き去りにしちゃった…!
今度こそなんかコンビニで奢ってあげるから許して!
_私は大勢の人をかき分けながら、レイの元へとむかう。
…目につくって言ったって私は目がいいから見えただけで、距離で表すとレイがいるのは10mくらい先だ。
……この満員電車状態に近い廊下でこの距離を詰めるのは、ちょっとキツいな…!
あーもー、本当なんで今日1日気づかなかったんだろう!
レイからもらった言葉が嬉しすぎて、浮かれてたんだ。
レイが教室に入ってきた時点で、袖から見え隠れしてる包帯とか顔の切り傷とかで気がつかなくちゃいけなかったのに…
一体私は何してんだか……
本当、自分に呆れることしか出来ない。
「レイ…ちょっと待って…!」
私はだんだん足取りがおぼつかなくなってきているレイに向かって、必死に叫ぶ。
レイの傷は、尋常じゃないほどの大怪我、と言っても過言ではない。
だから1日普通に椅子に座って授業とか受けていただけでも、体へとダメージは相当なはず。
……もうっ!レイもレイでバカ!
どんだけ病院にいたくないのさ…!
ちょっとくらい病室で前みたいに大人しくしてればいいのに…!
私は頭の中でブツブツ文句を言いながらも、
全力で人を押しのけ続けたおかげでやっと近づいてきたレイに向かって、手を伸ばした。