冷たい君の不器用な仮面
__バタンっ
「さあ、着いた!ごめん涼那ちゃん、ちょっとレイ運ぶの手伝ってくれないかな?」
「うん、もちろん!」
ユウが向かっていた先は病院ではなく、あのコンクリートの建物。
久しぶりに来たから、なんだか懐かしい感じだ。
私はシートベルトを外して、ユウに続いて車を出た。
その間にユウが車のキーでレイ側のドアを開け、レイの顔色を見る。
「うん、やっぱり熱上がってきてるね」
レイの額に手を当て、眉を寄せるユウ。
確かにもう自分の力では歩けなさそうなくらい、辛そう。
見ているこっちも苦しくなってきてしまう。
「涼那ちゃん、レイの左側について肩支えてくれる?」
「うん!」
私は急いで車から飛び出した。
ユウがレイを車から出し、2人でレイの両側を支えながら歩き出す。
そして相変わらず大きい建物のドアに手をかけ、開けた
瞬間
__ザワッ
「?!レイ様!大丈夫ですかっ」
「おいっ今すぐ部屋を用意しろー!」
一気にスーツ姿の男と暴走族達がざわめきだし、あっという間に辺りが騒がしくなった。
「…っわ、え」
久しぶりのこの異様な風景にたじろいたほんの一瞬の間に、私はレイやユウと共に奥の部屋へと流されていく。
私はおみこしのように担がれた状態で流されているため、足はほぼ地面に着いてない。
「あの…自分で歩きま__」
「いえ!お任せ下さい!」
「えっ、あ、いや……」
遠慮しても動きを一切止めようとしないスーツ姿と暴走族の人たち。
…うん、ダメだこりゃ。
もう任させてもらおう。
私は物凄いスピードで流れるビルの壁に目を移す。
…なんていうか、この感覚前にもあったような気が……
あっ、そうだ。あったあった。
レイを助けた次の日、突然学校に押しかけてきて、ほぼ拉致状態でここに連れてこられたっけ
それで何事かと身構えてたら、理由が『お礼したい』だもんね
あの時は本当…拍子抜け通り越して、呆れたな……
私はフフッと小さく笑う
そういえば、ここに来たのは3回目だな
2回目は、私が泣いた時に何故かレイがここに連れてきてくれたっけ。
で、通された部屋にはユウがいて……ってあれ?
なんであの時ユウに私を会わせたのか、結局教えてもらえなかったな
うーん、思い出すと気になってきちゃった…
もう結構前のことだけど、レイにもう一度聞いてみよう!
……もちろん、体調が良くなってからだけど!