冷たい君の不器用な仮面
「あははは!なんで今さらおびえてるのぉ?ねえ、姫さん……教えて?」
男が私の足をガシッと掴む。
それも信じられないほど強い力で。
「は、離して!!」
私は手を振りほどこうと足をブンブン振り回す。
でも手はびくともしなくて。
それどころか、私が足を振り回すたびに男の手がくい込んでいく。
「っ痛い!」
その強烈な力が恐怖と混ざり合い、私は思わず膝から崩れ落ちた。
瞬間、男が私の顎をグイッと引き寄せる。
「ほんと、瀬戸様の近くにつけて良かったよ~!こんなに面白い子をターゲットにしてくれるんだもん♪感謝しなくちゃ!」
「………え?」
一瞬、何か重いものが頭に落ちてきたような感覚に陥った。
ズシン、と一気に体が重くなる。
……ダメ。わたし。
これ以上、考えちゃいけない。
これ以上、頭を回しちゃいけない。
だって、だって今__……
私の中で、全てのつじつまが合おうとしてる