冷たい君の不器用な仮面



「ね…え、教えてよ……」



私は震える声で男の赤い目を見つめる。



なに?

私はいま、何を聞こうとしてるの?



私の中の、もう一人の自分が私の口に問いかける。



でも私の口は、そう簡単に閉じようとはしなくて。



ついに、聞いてしまったんだ。



「瀬戸……って、下の名前は、……?」

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