冷たい君の不器用な仮面
「………涼那ちゃん、その人知り合い?」
マスターが静かな声で私に尋ねる。
それに私は勢いよく首を振った。
「違います!!」
「_分かったよ。頭下げて!」
__ガバッ
私が瞬時に頭を下げた瞬間、マスターがいちご頭に殴りかかった。
が、男はすばやく避けてマスターと私から距離取った。
……な、なに今の動き
速すぎて目が追い付かなかった
…さっき男がふと言った、『僕、結構強いんだ♪』という発言は本当だったんだ。
……それなら…
今のこの状況は危ない!
だってマスターは私がお荷物できっと互角に戦えないし
男が本当は強かったことも知らない…!
私は男の手から離れた足に力を入れて、立ち上がる。
そしてマスターを引っ張り、全力で病院への道を走った。